ヌシアルハナ・ハルノヨ 感想

インディーズゲーム「ヌシアルハナ・ハルノヨ」感想。序盤はネタバレなし。

 

ヌシアルハナ・ハルノヨ (rocotsu.main.jp)

 

ツイッターに設置している匿名メッセージツールに、双子の弟が攻略対象のゲームがあると情報を頂いたことをきっかけにプレイ。製作は露骨(あきばれ)さん。

 

とある「メイカ」の「ブンケ」に産まれ、存在を忌まれた双子。

支え合って生きてきた2人だったが、双子の姉である主人公が代々伝わる「キンシンコン」の為に、「ホンケ」に嫁ぐことになる……というのがストーリー。

自分のことを知っている人がこの文章を読めば、趣味との合致っぷりに驚くことだろう。全文嬉しいことしか書いていない。血なんて濃ければ濃いほど良いですからね。

5人の攻略対象も全員が血縁という徹底ぶり。男女入り混じっているのもかなり嬉しいポイント。

事前の情報だけでかなり高い期待を抱いてプレイしたが、大満足のゲームだった。

 

舞台となる家は何度も「狭く堅く暗い」一族であると称され、それと同様に画面や音楽も暗い雰囲気を作り出していた。鎖された空間から垣間見るように、僅かに覗く背景も、薄く滲む文字も統一感があり、インディーズゲームの作り込まれた世界観を堪能出来る一作だった。

閉鎖的な因習と血への拘りを感じさせ、登場人物の立場や思惑についても筋を持って描かれている。主人公の攻略対象別の思想の変遷も、変わらない点もしっかりしており、また登場人物間に生まれる感情が恋愛に限らない点も素晴らしい。こういうゲームがやりたいんだよ! と思わせてくれるような作品だった。

双子の姉弟というニッチな性癖のオタクからしても、カツラとカズラの間には「双子の姉弟」間でしか出来ない発言や描写が多く見られて嬉しかったです。

 

以下ネタバレでサクッとキャラ・エンド別の感想。

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2021年を振り返る

 友人の企画、「期限設けないと書けない人のための Advent Calendar 2021 - Adventar」参加記事です。設定した時はフン……前日までには完成させてみせますよ……と意気込んでいたような気もするが、この冒頭の文章を書いている今現在、期限当日の20時48分である。期限を設けないと書けない人、耳に痛い言葉だ。以前からまた記事を更新したいと考えていたので、きっかけをくれた友人に感謝している。
 ということで。年の瀬というには少し早いかもしれないが、年末気分でざっくりと今年触れたコンテンツや1年について振り返っていこうと思う。

 

〇漫画
 今年も多様な漫画作品に触れた。しかしいつもは百合漫画/女同士の関係性を描いた漫画を中心に読んでいるのだが、その方面の作品はあまり読むことが出来なかった。あくまでも自分の観測範囲の中の話になるが、今年は新しく話題になった作品が少ないように思う。ゆざきさかおみ『作りたい女と食べたい女』、熊倉献『ブランクスペース』辺りだけでは。両方某ランキングにランクインしていましたね。

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 『ブランクスペース』は自分が最も今後の展開に期待している作品だ。表紙からして名作の貫禄に溢れている。森敬太氏の装丁はいつ見ても図抜けているな。(例:『アフターアワーズ』)

 帯のように画面を浸食するマージンが「コミックスの表紙」のデザインとして神がかっているし、実際の帯がその美学を守った文字配置なところも最高だ。2人の視線が交わっていない1巻、2人の雰囲気は友好的になるも空白がその存在を主張し始める2巻と展開と正しく連動したデザインが見事の一言である。勿論表紙だけでなく、空白が活かされた画面作りのなかで展開する2人の会話の小気味良さ、ひりつくような「日常」描写、淡々とにじり寄る恐怖の緊迫感と非常に面白く、読ませる漫画だ。ひとりの少女の焦燥とその手を離れた異形がどのような展開を生むか、今後も注視していきたい。
 また、ばったん『いてもたってもいられないの』、『まばたき』も非常に良かった。2作ともに素晴らしい作品しか収録されていない短編集だが、自分が特に印象に残っているのは「その時までは」(それぞれにマッチングアプリを使う女子大生2人の話)「みどりのなかのみずたまの」(恵まれた小学生と貧しい小学生の話)だった。ばったん先生の描く「自分に持っていないものを持っている人間に向ける感情」の話が本当に好きということなのかもしれない。
 インターネットに波紋を広げ続ける、たみふる『付き合ってあげてもいいかな』の新展開も印象に残った。「大学生を経験した人間が全員自分の大学時代の恋愛の話をしそうになってしまう漫画第1位」(自分調べ)の恐ろしい作品だというのに、環とみわの交際スタートにかなり純粋にときめいてしまった。付きかなで純粋にときめくことあるんだ。
 同じくインターネットで話題といえば星来『ガチ恋粘着獣』のコスモ編完結も記憶に新しい。コスモと琴乃が彼ららしい大団円を迎えることが出来て本当に安心したし、祝福の一言である。コスモと琴乃のエッチなの絶対見たい……。ギンガ編は彼らしく配信者としての活動にフォーカスを当てた話になりそうで、コズミックの物語の完結としても、「粘着獣」がどう生まれるのかも楽しみだ。期待が膨らむ。
 少女漫画の方面でいえば、個人的に一番新刊を楽しみにしているのが高松美咲『スキップとローファー』である。「この子と友達だったら高校生活3倍楽しかっただろうな」と思えるようなキャラクターしか出てこない。全員本当に「超進学校に通っているが、未熟な面もある高校生」そのもので、自分と離れた人間に対する態度や思考プロセス、恋愛感情、全てに説得力がある。全員が全員生きている。そんななかでも主人公がいちばん魅力的に描かれているし、心の底から応援したくなってしまう。青春群像劇として間違いなく歴史に残る作品だと思う。ずっとこの世界を見ていたいものだ。アニメも楽しみです。
 そしてなんといっても斎藤けん『天堂家物語』9巻・10巻の発売も今年だった。9巻の発売は、今年だった。あの9巻である。天堂家物語37話から41話、茨の檻編、双子編の9巻だ。もう散々に喚き散らかしているのでここでは多くを語らないが、”男女双子の近親相姦”の話をしたことがあって天堂家物語を読んでいない人間はいるだろうか? そいつはフェイクだ。男女双子の近親相姦を語るなら天堂家物語を読め。性と死で対になる、淫乱と潔癖の男女双子・周と晶で震えろ。本物のカップリングしか愛せない。周と晶は同じように生まれ違うように生き、されどひとつに交じり合ったのち同じように死ぬ男女双子です。天堂家物語に訴えられるかもしれん。男女双子はあくまでサブキャラでメインシナリオがしっかり面白いド名作なので、この文章を読んだ人間は今すぐに天堂家物語を購入したのちに直近でLINEトークした人間5人に以下リンクを送り付けるといいと思います。

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 ……他に篠原健太『WITCH WATCH』、山本和音『生き残った6人によると』、絵津鼓『メロンの味』、藤沢もやし『御手洗家、炎上する』完結などについても書こうと思ったが、量も増えすぎたしこの辺りで。2022年もいろいろな作品に触れていきたい。

 

〇小説
 好きな作家の全集を買ったり、舞台演出や医療関係などの新しい分野について調べたりと今年はかなり読書が出来た1年だった。ここでは自分の根幹のひとつである国内本格ミステリについて記そう。尚、某基準に則り2020年9月以降発刊のものを2021年作品として扱う。
 2021年の国内本格ミステリはかなり豊作といえるのではないだろうか。安心と信頼の米澤穂信は『黒牢城』で新境地を見せ、ミステリランキングの王座を恣にした。麻耶雄嵩『メルカトル悪人狩り』、相沢沙呼『invert 城塚翡翠倒叙集』と、本格ミステリ人気作家の新刊も注目を集めたし、新人の活躍も目覚ましい。特殊設定流行の源流、今村昌弘は『兇人邸の殺人』でより「本格」らしさを強めたし、その流行のなかで方丈貴恵『孤島の来訪者』というひとつの到達点といえるような作品も生まれた。校正などの問題も見られるが、斜線堂有紀は『廃遊園地の殺人』で相変わらず商業的な注目を集め、本格の知名度アップに大きく貢献したように見えたし、斜線堂以外にも阿津川辰海『蒼海館の殺人』、白井智之『ミステリ・オーバードーズ』『死体の汁を啜れ』と、多作で実力のある若手作家たちが多くの優れた新作を出した。また、自分が敬愛する北山猛邦は『天の川の舟乗り』で音野順の姿を久々に我らに見せてくれたし、2022年には『オルゴーリェンヌ』の文庫化も控えている。少年検閲官シリーズの新刊が見られる可能性を信じても良いのだろうか。また、1月には方丈貴恵『名探偵に甘美なる死を』が控えている。2022年も今年のように素晴らしい作品に多く出会えることだろう。

 

〇アニメ
 お恥ずかしながら自分は映像作品を見ることがかなり苦手で、今年もアニメ作品を見ることは殆ど無かった。唯一しっかり完走したのは『かげきしょうじょ!!』だけである。自分はかなり前から原作ファンで、原作そのままに輝き演じる彼女たちの姿を毎週楽しんでいたが、あのラストには度肝を抜かれた。自分の中のメディアミックス観を覆されたようであった。1クールで完結させる気が一切無く、物語の途中で自然にアニメ放送が終わる。メディアミックスはこれで良いのだ。メディアミックスは畢竟原作の宣伝の為にあるものだし、無駄な改変や区切りの為にテンポを犠牲にするよりも物語の途中で終わらせた方がよい。このような方式を採用するメディアミックス作品が増えて欲しいと感じた。
 また、ちょうど1年ほど前の時期に来期放送枠として『PUI PUI モルカー』があり、身内間でやれ来期の覇権だ自ジャンルだなどと騒ぎモルカー徹夜1話リアタイ通話などを開いたものだが、本当に覇権も覇権の有名ジャンルになってしまった。インターネットの面白くないオタクたちにモルカーが消費されたのが本当に辛く、今日も新宿の街でモルカーの缶バッジを見ては心を沈ませている。この感情は2022年には持ち込まないように致します。

 

〇映画
 映画もなかなか見ることがなかった。2019年は頻繁にミニシアターに通ったものだが、どうも出不精になってしまった。自分は映像作品を鑑賞することが本当に不得意で集中力が持たないため、この世のサブスクリプションの全てを活用できず、映画館に閉じこめられるしか映画を見る手段を持たないのだ。
 僅かな本数の中だとセシル・B・デミル監督『男性と女性』が良かった。白黒の無声映画だが、主人の女性と従者の女性それぞれの魅力、主従の逆転から戯画的に描き出された世間における男性と女性の姿と、言葉が無くてもあらゆる要素がストレートに伝わってくる作品だった。主演女優であるグロリア・スワンソンは当作品において妖艶で迫力に溢れた美貌を湛えているが、その姿は谷崎潤一郎痴人の愛』でナオミを語る比喩として用いられるだけのものがあった。
 今年映画館で見た新作映画といえば『劇場版 少女☆歌劇レヴュースタァライト』『リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様』の2本になるだろうか。濃いラインナップだ。どちらの作品も非常に情報量が多く、様々な要素を組み込みながらもひとつの作品として成立させていた映画だろう。あらゆるコンテンツが蔓延するこの時代、人々が娯楽に求めるものはここまで来たのかと気付かされる、2021年らしい2本だったと思う。

 

〇アイドル
 アイドルのファン活動も自分の中で大部分を占める行動である。今年は感染症の流行によってライブの数が極限まで減ったり、応援しているグループのアイドルが全員流行り病に感染したりとなかなか波乱万丈だったが、応援しているアイドルはめちゃくちゃスターダムを駆け上がっていた。彼女たちに会うことは自分にとって食事や睡眠と変わらぬ行為だし、これからも同じように応援を続けるだろう。

 

〇音楽
 2021年は音楽の趣味が大きく変わった1年でもあった。
 自分は2007年に初音ミクに出会い、2012年ごろまではほとんどボーカロイドの音楽しか聴いていなかった。それは自分にCDを買う経済力が無く、サブスクリプションのシステムも知らなかったために生まれた事象であり、近年はボーカロイド楽曲は数多く聞くアーティストの1人でしか無かった。しかし今年は私はボーカロイドという概念が好きで、その歌声を愛しているということに改めて気付かされ、日常の大部分がボーカロイド楽曲に占められた1年だった。
 印象的な曲はいくつもあったが、ここでは特にDECO*27「ヴァンパイア」について記そう。

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 2021年のボカロシーンを席捲した大人気曲だが、自分はこの曲を初めて聞いたときまず「地下アイドルのフェス行ったら1日7回くらい聞く曲調だ……」と感じた。無名アイドルの唯一の代表曲で定番の沸き曲をDECO*27クオリティで出した1曲である。ビジュアルも相俟って地下アイドル曲としか聞こえず、再生する度にコールを入れる方の脳が働いてしまう。作業中には聞けない楽曲である。
 歌い出しはケチャ。しばしのウリャオイの後、丁度インストで手拍子が入ったところでよっしゃーいくぞー。タイガー! ファイヤー! サイバー! ファイバー! ダイバー! バイバー! ジャージャー! 手拍子のタイミングが全て音源に入っており非常にわかりやすく沸ける構造だ。「死ねるかも」以降はオーイング。サビ前「絶叫」の伸びは完全に「イエッタイガファイボワイパー」のリズムと一致している。音源に合わせてhey!を入れれば後は「絶対いけるよ」の「よ」に被って「オレモー!」を入れ、早口で前に出てきた活舌自慢のメンバーにフーを浴びせたのち同じことを繰り返すだけ。「こっちおいで」に被せてジャージャー、日本語MIXは虎! 火! 人造! 繊維! 海女! 振動! かっせーん! のタイプだ。1番と同じことを繰り返すが、落ちサビはケチャの嵐、サイリウムの海になることだろう。アウトロはガチ恋口上が上手く入らないため、nananaのリズムとhey!にそのまま乗ればOKだ。
 何故自分はコールの解説をしているのだろう。前置きの流れからあり得ない文章になってしまった。ヴァンパイア、大好きです。

 

〇ゲーム
 さて、自分がボカロ文化に再び触れるようになったきっかけであり、2021年という年の大部分を占めたのは2つのゲームがある。1つめはプロジェクトセカイ カラフルステージfeat.初音ミク、2つめがカリギュラ2だ。2つとも自分の2021年を代表する作品なのだが、普段から話しているだけあってここで語るようなことは無い気がする。カリギュラ2の記事、さすがに本当に書かなきゃな。自分は偶像の在り方、アイドルという存在の解析に以前から興味があり、自分なりの答えをひとつ持っていたのだが、カリギュラ2は私の描いていた理想を、偶像をそのままに描き、殺し、そして肯定した作品だった。この辺りのことは別記事できちんと書こうと思います。今も寝るまでが当日理論で普通に〆切をブチ破っているのできっと〆切が無ければ一生書けません。誰か見張ってくれ。
 あと現在プレイしている「抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?」は前評判を裏切らない濃密な面白さだ。ここの記事も書けたらいいな……。

 

〇その他
 他にこの1年で大きく変わったことといえば絵を描くようになったことだろうか。自分は幼少期から絵を描いていたし、インターネットを覚えた頃から自然に自分の二次創作をアップしていたが、日常生活に複数の人間関係が入れ込み、1人の時間が減ったことで気が付いてしまった。絵を描くのは面倒であると。ここ5年ほど殆ど絵を描いていなかった自分だが、カリギュラ2に出会って根本から意識を変えられた。時間に余裕があった今年の秋ごろは空き時間の全てを講座系の動画や教本の練習に費やし、ひたすらに絵を描いていた。しかし絵の道は本当に険しく、びっくりするほど絵は下手なままである。絵、マジで上手くなりてえよ。好きな2人組の姿を自分で違和感なく描けるようになりたいし、好きな2人の姿を描こうとするたびに本気で苦しくなるのを辞めたい。人間の身体が……描けるようになりたい……。2022年ではさすがに、”変わらせて”もらおうと思います。

 

〇2022年に向けて
 想像のつかない忙しさに見舞われることが予期されており、自分自身もなかなか覚悟が決まっていないところがあるが、好きなゲームの話をしたり、絵を描いたりは出来るだけ辞めずにやっていけたらいいな。とりあえず新年から1か月間だけでも毎日真面目に絵の練習をしようと思います。

 

 

 全体的に情緒不安定な記事になったが常に考えていることしか記していないため正しく脳味噌を開陳した記事になったと思う。
 今年1年仲良くしてくれた方々、ありがとうございました。また来年も何卒よろしくお願い致します。

美少女万華鏡 罪と罰の少女 感想

美少女万華鏡 罪と罰の少女感想。序盤はネタバレなし。

 

dlsoft.dmm.co.jp

 

3度の飯より男女双子が好きだ。美しき男女双子の近親相姦が好きで、2人だけの世界に閉じ籠る男女双子が好き。二次性徴での変化に耐えきれなくなる男女双子が好きだ。そんな自分にとってこのゲームは最高の1本となった。

 

八宝備仁先生と吉祥寺ドロレス先生のタッグで送られる、美少女万華鏡シリーズ第4弾。自分はシリーズでは今作が初プレイ。しかしエロスを多分に含みながらも常に宗教画のような美しさを湛えた八宝備仁先生のイラスト、キャラクターの歪みを書ききった吉祥寺ドロレス先生のシナリオにただただ圧倒されてしまった。

 

とある事情で精神病院に入院していた覡夕摩という少年が、双子の姉である覡夕莉と再会し、彼女と想いを通じ合わせていく……というのが主なストーリー。

夕摩は女装して夕莉の通う女学園に通うことになり、そこで出会った保健医の藤原咲や、ドジな鈴森いちか、オカルト少女の御殿場鏡子とも関係を築いていく。

 

雪の降る道路に静かなピアノのメロディー、鳥籠や百合の花などの耽美なガジェット、繰り返される文学作品からの引用。いわゆる抜きゲーに分類される作品で、実際行為のシーンはかなり多いが、合間に挟まれる物語には常に静謐で耽美な雰囲気が漂っている。自分のようにインモラルな近親相姦が好きな人間は成人向けゲームに親しみがなくても楽しめるのではないかと思う。

自分は近代文学が好きなので序盤から頻繁に繰り返される文学作品からの引用にはテンションが上がった。

 

サーカス、生い立ちの歌、曇った秋、永遠の詩、詠嘆調、汚れちまった悲しみに/中原中也

ライ麦畑でつかまえて/サリンジャー

惡の華/ボードレール

卵、蛙の詩/萩原朔太郎

あどけない話/高村光太郎

ドグラ・マグラ、猟奇歌/夢野久作

 

ぱっとわかった範囲でこのような作品から引用がなされていた。主人公の狂気が反映されたラインナップである。

夕摩が一番好きな作家という設定なだけあって、中原中也作品からの引用が多く、また効果的に使われていたように思った。ゆあーんゆよーんゆやゆよん、『サーカス』の特徴的な擬音が表れるシーンは主人公が狂気的な人物だとプレイヤーに一瞬で理解させるのを助けていたし、永遠の詩のシーンは衝撃的だった。

 

以下ネタバレで近親相姦に強く寄った感想とキャラ別感想。

 

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